ホーム > 診療科・部門のご案内 > 血液浄化治療センター > 潰瘍性大腸炎について
現在、大腸や小腸に炎症が起きる潰瘍性大腸炎は、未だ原因が特定出来ず、厚生労働省指定の難病になっています。
しかし、近年の研究開発により本来は病原菌から体を守る「白血球」の中の顆粒球が関与している自己免疫疾患によるものとわかり、顆粒球を血液中から除去する事により潰瘍性大腸炎の活動期における緩解促進効果が認められました。
平成12年4月に厚生省(現在厚生労働省)が潰瘍性大腸炎に対する新治療法として顆粒球除去療法を正式認可し、これを受けて健康保険の適用となり、富山赤十字病院血液浄化治療センターでは消化器内科・消化器外科と連携をとり、薬物療法に抵抗を示す潰瘍性大腸炎に対し本治療法を導入いたしました。
顆粒球除去療法は、血液の凝固を防ぐ薬を投与し血管に針を刺し血液を体外に取り出し、血液中の白血球の一種の顆粒球・単球を吸着型血液浄化器で吸着除去し再び体内へ戻す、体外循環法を用いた治療法です。
顆粒球除去治療時は血液浄化治療装置を用いて、腕の血管に針を刺し、一分間に30ccの血液を体外循環し、吸着型血液浄化器で顆粒球・単球を吸着し、体内へ戻します。この体外循環操作を1~2時間連続的に行います。
なお、顆粒球除去療法は原則として、一週間に一回実施し、5週間行います。
現在、大腸に炎症が起きる潰瘍性大腸炎の患者は若年層を中心に増加傾向にあり、全国で6万人以上とも推定されております。