ホーム > 診療科・部門のご案内 > 血液浄化治療センター > 経皮的血管形成術について
血液透析療法においては、Blood・Accessを適正に維持する事は、治療上必須であるが、糖尿病・高齢患者など血管病変を伴う患者の増加や長期透析治療による反復使用により、シャントの狭窄、静脈高血圧症及びスチ-ル症候群等の合併症をきたし、血液透析継続に難渋を来す症例が増加している。
従来当院では、これら症例に対しては外科的治療が成されてきたが、動脈硬化・血管の荒廃等で再手術困難な事も多く、又患者に対する低侵襲の利点の為、再手術の前段階としてこれらアクセス・不全症例に対して、Baloonを用いた経皮的血管形成術(PTA)を平成11年2月より開始しました。
スタッフとしては、第2循環器科部長 田口富雄先生、臨床工学技士、放射線技師、臨床検査技師及び看護師のチ-ムで治療を行っています。
特に狭窄部位の繊維化病変が著しく、通常のBaloon圧では十分に狭窄を解除し得ない高度硬化病変については、冠動脈形成術で使用される Parallel wire technique、あるいはカッティングバルーンの導入にて、良好な結果を得ています。
また、平成13年度より血栓によるブラッドアクセスの閉塞例に対しては、血管内血栓吸引術(オアシスシステム),およびパルススプレー法(血栓溶解剤を高速圧に注入し、閉塞した血管の血栓内に噴出させる仕組み)も導入し、完全閉塞症例対しては有効なデバイスとの結果を得ています。
現在、elastic recoilを認める症例や短期間に再狭窄を繰り返す症例に対し、ステント留置にも積極的に取り組んでいます。
現在、当院内科では県内の透析患者さんのQOLの向上を図るためにブラットアクセストラブルに対し専門外来(田口富雄医師)を開設しています。
今後、アクセス・不全症例に対しては、外科的治療とともにPTAは有用な治療法であり、長期開存率の向上に向け努力していきたい。