富山赤十字病院

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腎不全・透析療法について

腎臓の働き

腎臓は、第11胸椎から第3腰椎の間の後腹膜腔に、左右1対ずつあり大きさは、長さ10センチ、幅5センチ位で、重さは250~300gです。
 右腎は肝臓に圧迫され、左腎よりやや下がっています。

腎臓には、心拍出量の1/4の血液が流れ血液を濾過し、老廃物の除去、Na・Kなどの電解質の調整、水分の調整、酸塩基平衡の調整、赤血球の作成に必要なエリスロポエチンの産生、血圧を調整するレニンの分泌、ビタミンDの活性化など多くの働きをしています。

腎不全になると

腎臓の機能が低下してくると、腎臓は老廃物や水分を十分に排泄できなくなり、人体に不必要な物質や有害な物質が蓄積します。
 一般的な血液検査では、尿素窒素(BUN)、クレアチニン、リン、水素イオン物質の濃度が上がります。
 腎臓の機能が30%程度になると、腎不全症状が顕著になり、カリウムがたくさん蓄積すると心臓を停止させる怖い作用があります。またリンは腎臓からしか排泄されないので、身体に蓄積すると、骨折しやすくなります。

なお最も強い症状を引き起こす物質としては尿毒症性物質があり、この物質はアシド-シス(体に酸がたまる)になるとより強く作用します。
 尿毒症状は、消化器症状としては、食欲不振・はきけ・おう吐、神経症状、全身倦怠感、貧血、浮腫等、全身に症状としてあらわれ、さらに進行すると、昏睡状態に進展する為、早期に専門医師の診察をうけて下さい。

腎臓の働き 尿をつくる 老廃物の排泄 電解質の調整
(Na,Kなど)
腎臓が悪くなると 乏尿になりむくみが出る 尿毒症状の出現 電解質が変動する
血液透析の働き 限外濾過で除水をする 拡散現象で老廃物の除去 電解質の調整
(Na,K など)
腎臓の働き 血圧の調整
(ホルモン)
赤血球を作る ビタミンD活性化
腎臓が悪くなると 高血圧になる
(ホルモンの分泌)
貧血になる Ca代謝異常
血液透析の働き 透析での是正は不可 透析での是正は不可 透析での是正は不可

腎不全の治療

腎不全の治療には血液透析、腹膜透析及び腎臓移植があります。
 現在、最も普及しているのは血液透析で、日本国内では約200,000人を超える患者さんがこの治療をうけておられます。

血液透析とは

血液透析は、人工の高分子膜でできた細い管の中に血液を流し、その外側に透析液を流して治療を行います。
 この膜には、小さな穴があいており、ナトリウム、カリウムなどの電解質そして尿素窒素やクレアチニンのような小さい物質は通過できますが、アルブミン等のタンパク質や細菌の様な大きな物質は通過できません。
 血液透析治療は、膜(半透膜)を通して、拡散現象を利用して体に不必要な物質(老廃物)を除去し、体に必要な物質(ブドウ糖、電解質など)を取り込み、また限外ろ過により余分な水分を除去し、腎臓機能の一部代行を行います。
 1回の治療は通常3~5時間を要し、1週間に2~3回治療を受けます。