富山赤十字病院

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がん診療内容

がん診療内容

がんの診療内容について

当院ではがん診療ガイドラインを基に、各科が連携してがん治療を行っています。早期がんに対しては内視鏡的切除や鏡視下手術などの低侵襲治療を積極的に取り入れています。進行・再発がんに対しては化学療法や放射線治療などの集学的治療を行っています。

▼ 肺がん ▼ 胃がん ▼ 大腸がん ▼ 乳がん ▼ 肝臓がん ▼ 子宮頚がん ▼ 子宮体がん ▼ 卵巣がん ▼ 血液のがん▼ 脳腫瘍▼ 腎がん▼ 腎盂・尿管がん▼ 膀胱がん ▼ 前立腺がん
■ 肺がん

肺癌は、肺癌治療ガイドラインにのっとり、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科などが連携しながら、病期に応じて適切な治療を行っています。

肺手術では胸腔鏡を積極的に使用して手術侵襲の軽減に努めています。肺癌発生率の増加、CTによる微少肺癌の発見も増えてきており手術症例数は全国的にみても年々増加の一途です。術前後の化学療法や放射線治療についても、キャンサーボードでの検討のもとに行っています。

呼吸器内科では、呼吸器外科、放射線科とも連携しながら、全身状態良好例に対して抗癌薬化学療法、あるいは放射線化学療法を積極的に試みています。

■ 胃がん

当院では胃癌治療ガイドラインにのっとり、消化器内科・外科、腫瘍内科、放射線科などが連携し病期に応じた適切な治療を行っています。リンパ節転移のリスクが少ない早期胃癌に対して、内視鏡的粘膜切除術(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)による治療を行っています(年間約50例)。

手術に際しては最新の縫合器、止血装置を積極的に導入し、安全で質の高い手術をこころがけています。早期癌に対しては鏡視下手術を積極的に導入し、術後の障害を軽減する努力を、進行癌に対しては再発の少ない手術を目指してします。また、クリニカルパスの積極的導入により安心して手術に望んで頂き、術後は10~14日ほどで退院になります。平均年間手術件数は約80例を推移しています。また進行、再発胃癌に対してはがん看護専門看護師、がん化学療法認定看護師、緩和ケア認定看護師と連携し、主に外来にて慎重に副作用対策を行いながら抗癌剤治療、緩和ケアを行っています。二次、三次治療も積極的に行っています。

■ 大腸がん

当院では大腸癌治療ガイドラインにのっとり、消化器内科、消化器外科、腫瘍内科、放射線科が連携して内視鏡的切除や外科的切除、抗癌剤治療、放射線治療などを行っています。

大腸癌の症例数は増加傾向にあり2016年には結腸癌72例、直腸癌29例に手術を行いました。体への侵襲が少ない腹腔鏡補助下手術も積極的に導入しており、2016年は結腸癌手術の72%(52例)、直腸癌手術の86%(25例)を腹腔鏡補助下手術で行っています。また、直腸癌手術では、肛門機能や神経を温存し性機能を保持した手術を採用しています。

結腸手術・直腸手術の入院治療はクリニカルパスを導入し、治療の標準化と効率化を達成しており、入院期間は2週間程度です。治療の計画や予定についてクリニカルパスに基づいて担当医や看護師から説明させていただいています。また、外来診療においても平成21年度より地域連携クリニカルパスを採用し、かかりつけ医との連携をとりながら治療を行っていきます。

進行・再発癌に対しては代表的な抗癌剤治療法であるFOLFOX療法・FOLFIRI療法・FOLFOXIRI療法に加えてアバスチン・サイラムザ・ザルトラップ・アービタックス・ベクティビックスなどの分子標的薬も積極的に取り入れた治療を行っています。また、今後登場する新たな薬剤への対応も迅速に行っていきます。高度進行癌に対しては手術治療・抗癌剤治療だけでなく放射線治療も組み合わせ、集学的かつ積極的に癌の治療を行っています。

今後も地域の大腸癌診療に携わっていくことに加え、臨床試験への参加も行い、大腸癌治療における医学的貢献にも努めます。

■ 乳がん

「乳癌診療ガイドライン」に従って診断・治療を行っています。診断においてはマンモグラフィーおよび超音波検査を基本に、コアニードル生検やマンモトーム生検にて確定診断を行います。MRIにより乳がんの進展範囲を評価し、乳房温存手術の適応を決定しています。

手術においては、整容性に留意した乳房温存手術を基本に行っていますが、乳房切除術となる症例に対しては、最近では形成外科医の協力のもと自家組織による乳房再建にも取り組んでいます。腋窩リンパ節に対するセンチネルリンパ節生検はRI・色素併用法により行っており高い同定率・正診率を維持しています。

化学療法は化学療法センターと連携し、外来化学療法を中心に行っています。薬剤による副作用に対しては積極的に支持療法を行いQOL維持に努めています。最近では術前化学療法の症例も増加しています。

放射線療法は温存乳房に対する照射、乳房切除後照射等を行っています。脳転移等に対する定位放射線治療も「五福脳神経外科 サイバーナイフセンター」との連携で施行が可能です。

診断・治療のいずれのプロセスにおいても乳腺外科医、放射線科医、放射線技師、病理診断医、乳がん看護認定看護師、化学療法認定看護師、がん看護専門看護師、緩和ケアチームなどの多職種によるチーム医療を行い、患者さんのQOLに配慮した質の高い医療を提供しています。

■ 肝臓がん

当院では日本肝癌研究会の肝癌診療ガイドラインに従い、肝細胞癌の予防および早期診断のためにサーベイランスを行っています。肝細胞癌の診断がなされた場合には、同じくガイドラインに沿った適切な治療法の選択を行い、地域医療連携室を活用してかかりつけの診療所や他病院と連携をとりながら治療を行っています。

■ 子宮頚がん

子宮頚がんは「子宮頚がん治療ガイドライン」にのっとり、病期に応じた適切な治療を行っています。健診部と連携し、子宮頚がんの早期発見に努め、早期がん症例に対しては、子宮頚部円錐切除術等の妊孕性温存手術を行っています。進行がんでは、広汎子宮全摘術等の手術療法を行っています。QOLを考慮した骨盤神経温存手術を行っています。

手術症例にはクリニカルパスを導入し、治療の標準化と効率化を達成しており、治療の計画や予定についてクリニカルパスに基づいて担当医および看護師から説明させていただいています。放射線科と連携し、放射線療法(全骨盤照射、腔内照射(富山大学附属病院、富山県立中央病院との連携で施行))、同時化学放射線療法も症例の適応を検討し行っています。進行症例には緩和ケアチームと連携し緩和医療を行いQOLの向上を図っています。

■ 子宮体がん

子宮体がんは「子宮体がん治療ガイドライン」に則り、病期に応じた適切な治療を行っています。手術療法を基本としますが、症例によっては化学療法、ホルモン療法や放射線療法を行っています。

化学療法は化学療法センターと、放射線療法は放射線科と連携し行っています。

手術療法および化学療法の症例にはクリニカルパスを導入し、治療の標準化と効率化を達成しており、治療の計画や予定についてクリニカルパスに基づいて担当医および看護師から説明させていただいています。若年子宮体がんに対しては、症例を検討し、妊孕性温存療法を行っています。また進行症例には緩和ケアチームと連携し緩和医療を行いQOLの向上を図っています。

■ 卵巣がん

卵巣がんは「卵巣がん治療ガイドライン」に則り、病期に応じた適切な治療を行っています。手術療法の他、化学療法も積極的に行っています。

手術療法および化学療法の症例にはクリニカルパスを導入し、治療の標準化と効率化を達成しており、治療の計画や予定についてクリニカルパスに基づいて担当医および看護師から説明させていただいています。

化学療法は化学療法センターと連携し、症例のQOLを考慮し外来化学療法を中心に行っています。再発・転移症例に対しては、化学療法を中心に治療を行っていますが、症例によっては、外科と連携し再発・転移病巣の摘出術も行っています。化学療法の副作用に対しては積極的に支持療法を行いQOLの改善に努めています。化学療法は必要に応じて、二次化学療法、三次化学療法も積極的に行っています。若年症例に対しては、症例を検討し、妊孕性温存治療を行っています。症例によっては緩和ケアチームと連携し緩和医療を行いQOLの向上を図っています。

■ 血液のがん

血液のがんには白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などがあり、年間60人ほどの患者さんが当院で新たに診断され化学療法を受けています。いずれの疾患も、日本血液学会の造血器腫瘍診療ガイドラインに沿った治療を行っています。

当院は日本血液学会の血液研修施設、日本輸血細胞治療学会の認定医制度指定施設、日本臨床腫瘍学会の認定研修施設であり、学会に準拠した標準的な治療を実施しています。

また、通常の化学療法で治癒困難な患者さんには造血幹細胞移植も実施します。自家及び同種を合わせて年間20人ほどの患者さんが当院で移植を受けています。日本造血細胞移植学会から「非血縁者間造血幹細胞移植認定診療科」として認定されており、同種移植の場合は血縁、骨髄バンク、さい帯血バンクのどのドナーからの移植も実施可能です。

■ 脳腫瘍

悪性神経膠腫や転移性脳腫瘍などの悪性脳腫瘍に対しては術前に5ALA製剤を服用し、術中励起光をあて腫瘍細胞が赤色蛍光を発するようにしています。

これにより肉眼ではわかりにくい腫瘍を可視化し、より精度の高い切除術を行うことが可能です。また悪性神経膠腫では治療効果を上げるため、切除腔に抗がん剤チップ(ギリアデル)を留置する治療法も行っています。

術後は患者さんの状態を見ながら、免疫療法、抗がん剤、放射線療法等を組み合わせて治療しています。また自宅復帰を目指し、早期にリハビリテーションを開始しています。 下垂体腫瘍に対しては0度、30度、70度の内視鏡を用い、精度の高い経鼻的内視鏡的摘出術を行っています。

■ 腎がん

 当院では腎癌診療ガイドラインにのっとり、泌尿器科、放射線科などが連携し、進行度に応じた適切な治療を行っています。

 早期の腎がんでは手術が第一選択であり、腎摘除術(腎臓を腫瘍ごとすべて取り出す)あるいは腎部分切除術(腫瘍の部分のみを切り取り、腎臓を残す)を行っています。いずれの手術も創部痛の軽減と入院期間の短縮を目指し、「腹腔鏡下小切開手術(ミニマム創手術)」で行っています。

治療の標準化と効率化により、大多数の方が手術後7~8日で退院になっています。腎部分切除術については、2016年からロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術が保険適応となり、希望される方は同手術を行っている施設へ紹介しています。

進行した腎がんに対しては主に分子標的治療を行っています。当院では現在、ネクサバール®、ス―テント®、アフィニトール®、トーリセル®、インライタ®、ヴォトリエント®、オプジーボ®の7種類の分子標的薬が使用可能です。骨などの転移巣に対しては放射線照射も取り入れ集学的治療を行っています。
悪性神経膠腫や転移性脳腫瘍などの悪性脳腫瘍に対しては術前に5ALA製剤を服用し、術中励起光をあて腫瘍細胞が赤色蛍光を発するようにしています。

■ 腎盂・尿管がん

 当院では腎盂・尿管癌診療ガイドラインにのっとり、泌尿器科、放射線科などが連携し病期に応じた適切な治療を行っています。

 腎盂・尿管がんに対しては標準術式である腎尿管全摘除術(腎臓~尿管~膀胱の一部を摘出する)を行い、創部痛の軽減と入院期間の短縮を目指し、「腹腔鏡下小切開手術(ミニマム創手術)」で行っています。

腎盂・尿管がんに対しては標準術式である腎尿管全摘除術(腎臓~尿管~膀胱の一部を摘出する)を行い、創部痛の軽減と入院期間の短縮を目指し、「腹腔鏡下小切開手術(ミニマム創手術)」で行っています。治療の標準化と効率化により、大多数の方が手術後7~8日で退院になっています。

進行した腎盂・尿管がんに対しては化学療法や放射線療法を行っています。腎盂・尿管がんに対する化学療法は入院で行う場合が多いのですが、当院では化学療法センターとの連携をはかり、なるべく通院で治療が受けられるように整備しました。

■ 膀胱がん

 当院では膀胱癌診療ガイドラインにのっとり、泌尿器科、放射線科などが連携し病期に応じた適切な治療を行っています。

 筋層に浸潤していない早期の膀胱がんに対しては、尿道から内視鏡を挿入し、腫瘍のある粘膜を剥がし取る、経尿道的膀胱腫瘍切除術を行っています。膀胱がんは膀胱内再発しやすい特徴があるため、腫瘍の数や大きさ、悪性度によっては膀胱内に薬剤(BCG、抗がん剤)を注入する治療を外来通院で行っています。

筋層に浸潤している進行した膀胱がんについては、膀胱全摘除術、化学療法、放射線治療を組み合わせて治療を行っています。膀胱全摘除術後の尿路変向については、回腸導管造設術、回腸新膀胱造設術などを行っています。膀胱がんに対する化学療法は入院で行う場合が多いのですが、当院では化学療法センターとの連携をはかり、なるべく通院で治療が受けられるように整備しました。

■ 前立腺がん

 当院では前立腺癌診療ガイドラインにのっとり、泌尿器科、放射線科などが連携し病期に応じた適切な治療を行っています。

 早期の前立腺がんでは手術、放射線治療が第一選択であり、当院では「腹腔鏡下小切開手術(ミニマム創手術)」による前立腺全摘除術を行っています。治療の標準化と効率化により、大多数の方が手術後10日程度で退院になっています。尚、前立腺全摘除術については、2012年からロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術が保険適応となり、希望される方は同手術を行っている施設へ紹介しています。放射線治療には外部照射と内部照射があり、それぞれの特徴を十分に説明の上、選択していただいております。

進行した前立腺がんや手術が困難な高齢者に対しては、男性ホルモンを抑える内分泌療法を行っています。骨やリンパ節などの転移巣に対しては放射線照射も併せて行っています。