診療科・部門

肝臓内科

概要

肝疾患だけでなく胆道、膵臓疾患についても専門的かつ科学的根拠に基づいた丁寧な診療をおこなっています。外科、内科、放射線科など多くの科とも連携することで安全で質の高い治療を提供しています。

診療内容は、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝不全、自己免疫性肝疾患、脂肪肝、肝細胞がんなどの肝疾患と急性胆嚢炎、胆管炎、閉塞性黄疸、胆嚢がん、胆管がんなどの胆道疾患と急性膵炎、慢性膵炎、膵がんなどの膵疾患すべてを対象にしています。
健診異常を指摘されて受診される患者さま、かかりつけ医からの紹介で受診される患者さまにも納得、安心いただける医療を提供し皆さまの健康を支えます。

急性肝炎、急性肝不全、食道静脈瘤破裂、急性胆嚢炎、急性胆管炎、急性膵炎などで救急搬送された患者さまにも迅速に対応し救命します。

スタッフ紹介

岡田 和彦 (おかだ かずひこ)
副院長/第1消化器内科部長/皮膚科部長/薬剤部長
専門領域
消化器病、肝臓
資格・学会
日本内科学会(認定医、総合内科専門医)
日本消化器病学会
日本肝臓学会(専門医)
時光 善温 (ときみつ よしはる)
肝臓内科部長/神経内科部長/緩和治療センター長/患者支援センター長
専門領域
消化器病
資格・学会
日本内科学会(認定医、指導医)
日本肝臓学会(専門医)
日本超音波医学会
日本IVR学会
日本再生医療学会
日本緩和医療学会
日本門脈圧亢進症学会
日本消化器内視鏡学会
富山大学医学部医学科臨床教授
欧州心臓血管インターベンショナルラジオロジー学会
日本消化器病学会(専門医)

外来担当一覧

 
再診 午前 時光 岡田(和)
午後 岡田(和) 時光
(第2・4)

対象疾患

肝疾患

近年ではB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスについては優れた抗ウイルス薬により制御できるようになりました。診療には全国赤十字病院肝疾患ネットワークの最新の知見も取り入れています。治療後の定期検査も丁寧に行っています。こうした取り組みは肝硬変への進展や発がんの抑制を実現しました。また肝臓病教室、肝炎デー関連イベントなどで啓蒙に努めています。

肝硬変

原因は肝炎ウイルスだけでなくアルコールや脂肪肝炎などさまざまですが、肝機能を維持できるよう治療を行います。合併症である食道静脈瘤にたいしては内視鏡的静脈瘤結紮術や内視鏡的硬化療法、手術療法などをおこない出血を防ぎます。

肝細胞がん

肝臓がんには肝細胞がん、胆管がんといった原発性のがんと転移性のものがあります。これらを正しく診断し適切な治療をおこないます。肝細胞がんは肝炎ウイルス感染者、肝硬変、糖尿病、高齢者に発がんしやすく特に肝硬変の方には定期的に腹部エコー検査をお勧めし早期発見に努めます。手術やラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法によって根治することができます。とくにラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法については最新機器を使用し、長年蓄積されたノウハウを生かし安全性、確実性を追求しています。がんの状態や肝臓の状態によって適切な治療を選択しなければなりません。肝動脈化学塞栓療法、動注化学療法、分子標的治療薬をうまく使いこなすことで長期生存も期待できます。

脂肪肝

飲酒によって多くの方が脂肪肝になります。一方、飲酒歴がない方の脂肪肝にも注意が必要です。この中の一部には非アルコール性脂肪肝炎(NASH)といわれ進行し肝硬変に至ることもある病気です。メタボ体質の方はとくに注意が必要ですが、一見すると肥満体型ではない方にも見られます。これらは自覚症状がないため健診では腹部エコー検査を受けていただくことを勧めます。原因に応じた治療をおこないます。運動療法、食事療法が中心ですが薬物療法をおこなうこともあります。

閉塞性黄疸

発熱と腹痛をともない救急搬送された場合の多くが総胆管結石、急性胆管炎です。抗菌薬投与だけでなく結石を除去する必要があります。全身状態を評価し、速やかに内視鏡治療を行います。胆管がんや膵がんによる閉塞性黄疸にたいしては、内視鏡でステントを挿入留置することで胆汁の流れを改善します。または体外から細いチューブを胆管に留置し胆汁を排出(ドレナージ)することができます。黄疸は全身のかゆみや発熱など、がん患者さまのQOL低下につながります。緩和治療としても貢献しています。

急性膵炎

結石や飲酒が原因の多くを占めますが、原因、重症度を含めた的確な診断が要求されます。重症例ではICUで治療をおこない救命しています。また退院後には再発や晩期合併症に注意しながら社会復帰を目指します。

慢性膵炎

多くが飲酒によるもので、禁酒が必要です。膵炎の増悪時には入院治療をおこないます。また繰り返す腹痛発作の原因が膵石である場合、内視鏡治療のほか体外衝撃波結石破砕療法をおこないます。近年、他施設からの治療依頼が増加しています。