出産

当院の出産について

当院のお産に対する考え方

妊娠やお産は生涯で数回しか体験できない、貴重で祝福に満ちた素晴らしい出来事です。そして、わが子に対する期待が大きい反面、心配なこと、不安なこと、わからないことをたくさん抱えることもあります。ですが不安を募らせていてはもったいないです。不安はおなかの赤ちゃんにも妊産婦さん自身にも良い影響を与えません。

妊娠やお産は女性に与えられた素敵な特権と捉え、様々な体の変化もありますが、それを楽しむくらいの気持ちで過ごしましょう。私たち医療スタッフは、できるだけ妊産婦さん自身が持つ力(能力)を最大限に引き出したいと考えています。そこで妊婦さん仲間や、医療スタッフと一緒に妊娠の経過を学んだり、不安を解消したりしながら、自分らしいお産をめざしてほしいと願っています。

そして、病気を抱えながらお産に臨まれる方も、健康な方も、母子の安全を最優先にめざしていきます。

妊婦さん自身も自分の出産や育児をどのようにしていきたいか、家族も含め、私たちと一緒に考えていきましょう。

赤ちゃんにやさしい病院

1989年3月WHO・ユニセフは、「母乳育児の保護、促進、そして支援」するために、産科施設は特別な役割を持っている。という共同声明を発表しました。母乳育児成功のための基準は、WHOとユニセフによって、世界のすべての病院に広く紹介されています。WHO・ユニセフは、「母乳育児を成功させるための10カ条」を長期にわたって尊守し、実践する産科施設を「赤ちゃんにやさしい病院」として認定することになりました。

富山赤十字病院は平成21年度8月にWHO(世界保健機構)、UNICEF(国連児童基金)から「赤ちゃんにやさしい病院」Baby Friendly Hospital として認定されました。

地域のみなさんと母乳育児を考える機会をもち、母乳育児を支援できるように努力しています。

妊娠中から妊婦さんに母乳育児の利点や授乳の方法をお伝えし、安心して母乳育児がスター卜できるようサポートしています。また、出産後も2週間健診、1ケ月健診や母乳外来、育児サークルを通して、お母さん方のお話をうかがいながら楽しんで母乳育児ができるよ
う支援します。

当院の母乳育児支援の方針

私たちはユニセフ/WHOの「母乳育児成功のための10か条」に基づき支援を行います。

  1. 私たちは、母乳育児を大切に考え、病院スタッフ全員に周知できるように努めます。
  2. 私たちは、お母さんが楽しく母乳育児できるような支援を目指し、技術習得に努めます。
  3. 私たちは、妊娠期から母乳育児を知っていただくために、助産師相談室や安産教室を活用して情報を提供します。
  4. 私たちは、出産直後から早期母子接触を行い、出産後できるだけ早く母乳が飲ませられるように支援します。
  5. 私たちは、母乳分泌を促進し維持できる方法をお母さんに伝えます。
  6. 私たちは、赤ちゃんにとって医学的に必要ないかぎり糖水や人工乳は使用しません。
  7. 私たちは、お母さんと赤ちゃんが終日一緒にいられるように母子同室を実施します。
  8. 私たちは、赤ちゃんが欲しがる時にいつでも母乳をあげられるように支援します。
  9. 私たちは、母乳育児の赤ちゃんに人工乳首やおしゃぶりを使うことの弊害についてお母さんに伝え、話し合います。
  10. 私たちは、お母さんが退院後「助産師母乳外来」や「2週間健診」を活用し、母乳育児を継続していくための支援をします。