当院について

院長あいさつ

 本年4月1日付けで富山赤十字病院 院長に就任した竹村博文です。どうぞよろしくお願いいたします。

 当院は明治40年日本赤十字社富山支部病院として日本赤十字社の病院の中で6番目の病院として開院しました。開院118年目になる富山県で最も伝統ある病院のひとつです。当初は富山市中心部の総曲輪で始まりましたが、平成8年に現在の牛島本町に新築移転されました。富山市の「とやま未来都市計画」でよみがえった富岩運河環水公園のほとりの、療養地としてふさわしい環境に立地しています。

 全国に90ある赤十字病院は、医療法における公的医療機関として、救急医療、がんや循環器疾患などの高度専門診療、生活習慣病の予防や高齢化社会での介護の支援、へき地医療などを積極的に行っています。地域の中核病院として、地域に根ざした医療を提供するとともに、安全・安心な医療を提供するために、医療安全推進室を設置して、医療事故や院内感染の防止への取り組みを強化しています。また災害時には国内外へ医療チームを派遣し現場で救護活動にあたるなど、日本赤十字社の人道・博愛の精神の元、いろいろな活動を通じて社会に貢献して参ります。

院長 竹村 博文

当院の理念(ミッション)は、
人道・博愛の赤十字精神にもとづく良質で安全な医療の提供であります。
そのために7つの基本方針目標(バリュー)をあげています。

1. 患者さん中心の医療の提供。そのためには患者さんに対して和顔愛語(わげんあいご、和やかな顔と思いやりの言葉で人に接する)で接することが大切です。人が苦しい、辛い状況の時に優しい言葉で、思いやりをもって接することができれば、これに優る医療はありません。これを実践します。

2. 安全で高度な医療の提供。当院は救急・高度急性期医療を提供します。当院の救急車搬送数は5000台以上で,緊急全身麻酔医手術件数も350件を超えています。特に心血管疾患と癌に力を入れていて、心臓カテーテル治療、不整脈アブレーション治療、冠動脈バイパス手術、脳血管カテーテル治療等を積極的に行っています。日本人の死亡原因の第一位のがんに対しては、15床の化学療法センターを中心に多職種で安全で適切な治療を行っているほか、患者負担の少ない腹腔・胸腔鏡下手術、ミニマム創内視鏡下手術も積極的に取り入れ、ロボット支援手術も導入し開始しています。質の高い内視鏡診断、内視鏡治療(EMR,ESD)、超音波内視鏡による膵癌診断、肝臓がんに対するラジオ波焼却・マイクロ波凝固治療を行っています。また無菌室14床を有し造血幹細胞移植など先進的な医療を行っています。さらに、センターとして脳血管内治療センター、小児アレルギーセンター、緩和治療センターを立ち上げています。

3. 地域医療に貢献する病院を目指します。患者支援センターを通じて、連携の先生方のご協力・ご支援により当院の地域連携は非常に強固なものになっています。さらに患者さんの要望を積極的に取り入れています。

4. 災害救護ならびに医療社会奉仕に努めます。日本赤十字社の使命である「いかなる状況下でも命を守る」ために、災害救護、社会奉仕に全力を尽くします。令和6年1月1日の能登半島地震におきましても1月2日より救護班、DMATを能登に派遣しました。

5. 次代を担う医療従事者を育成します。初期臨床研修医ならびに平成30年度から実施された新たな専門医制度(内科及び整形外科基幹型)に対応し、優れた人材を世に送り出せるよう指導体制の充実をはかっています。このことが病院全体の活性化に繫がるものと考えています。

6. 働きがいのある病院運営に努めます。病院は患者のために存在すると同時に、職員の働く場所でもあります。よりよい働く環境を整備することは、患者さんへの良質な医療提供の基礎であります。職場では以和為貴(和を以て貴しと為す)と切磋琢磨をモットーに働きがいのある病院を作って参ります。

7. 健全経営の維持に努めます。患者さんに間接的に影響を及ぼす健全な病院経営は医療の基礎中の基礎であります。無駄をなくし、しかし必要な人材と医療機器は確保して参ります。

最後になりますが、私にとっても新任地での職務です。常に自らを省み、常に前を向いて、全ての患者さんと地域、そして職員の声に耳を傾け、謙虚心を忘れず邁進して参ります。
何卒よろしくお願いいたします。

令和7年4月1日